洗剤・知識

ハウスクリーニング洗剤表示について

ハウスクリーニング洗剤表記の見方

合成洗剤とは?

合成洗剤の定義と表示規定

  • 界面活性剤とその他の添加物でできているもの。
  • 主な洗浄成分が石鹸以外の界面活性剤であること。(洗濯用は界面活性剤30%以上、台所用は40%以上のもの)研磨材を含むもの、化粧品を除く。
  • 洗濯用は洗濯用合成洗剤、台所用は台所用合成洗剤と明記する。それ以外の洗剤については用途に適した表現の用語+合成洗剤と表示する。
  • 界面活性剤はその種類を表示する。
  • 含有率が1%以上のものについては成分機能の名称を示す用語を用いて表示し、10%以上のものは更に種類の名称を示す用語を用いて表示する。
  • 蛍光剤、酵素、漂白剤を配合しているものは表示する。
  • 液性を表示する。(酸性pH1~3、弱酸性3~6、中性6~8、弱アルカリ性8~11、アルカリ性11以上)
  • 用途を明記する。
  • 重さ(正味量)
  • 使用量目安
  • 注意事項
  • 表示者名 会社名 電話番号 住所など 責任の所在を明確にする。
  • 1%以上の成分は重量順に表示する。

家庭用洗剤は家庭用品品質表示法に含まれます。

家庭用洗剤の表示注意点

  • 含有率が1%以下の成分表示しなくても良い。
  • 10%以下の成分は成分の具体的な種類を表示しなくても良い。
  • 界面活性剤が3%未満の場合、一番量の多い界面活性剤成分を表示するだけで良い。

ここですね。ここが大事です。
例えば防腐剤。安息香酸ナトリウム、メチルパラベンなどは0.1~0.2%くらいで防腐効果があります。化粧品には表示が必要ですが、洗剤は入ってても分からないということです。
安息香酸ナトリウム、メチルパラベンが悪いということではなく、こういうものが入ってますというのを知るということも大事なのかなと思うんです。そうするとパラベンに関しても自分なりに考えるし、吟味した上で責任もって使う、使わないと判断すことができるのではないでしょうか。

界面活性剤も1%で強力に洗浄するものがあります。でも1%未満であれば表示をしなくて良いのです。そして1%の界面活性剤が肌を痛める可能性もあります。
界面活性剤は3%でもよく泡立ち、洗浄性も強いです。良く配合されているのは陰イオン系に非イオン系を混ぜているものですが、配合3%未満であればどちらかの界面活性剤は表示しなくて良いということなので使用者は分かりません。界面活性剤も沢山の種類が存在します。

洗剤と洗浄剤って何が違うの?

洗剤とは合成界面活性剤を用いたもので、洗浄剤は酸・アルカリなどのパワーで汚れを落とすものです。アルカリイオン水、炭酸ナトリウムなどは界面活性剤が入っていないので洗浄剤になります。ここに界面活性剤が入ると、界面活性剤+アルカリイオン水という形になるので、合成洗剤と言えます。

業務用洗剤と家庭用洗剤の表示の違い

業務用パッケージには詳しい成分が表示されていない

家庭用洗剤は上記の通りですが、業務用洗剤は業務で取り扱うものなのでパッケージに成分が詳しく表示されていないものが多いです。基本的にはSDS(安全データシート)、GHS(世界共通の危険基準レベル)などで判断します。その洗剤を業務で使用する際にはSDSをまず読まないと何が入っているのか、有効成分が何なのか、どのくらい入っているのか分かりません。とても危険なフッ化水素ですらパッケージに記載されていません。SDSを読んで下さいということです。

業務用洗剤の表記特徴

業務用洗剤は成分詳細をSDSで詳しく書いているため、パッケージには使用方法、使用の注意点、危険マークなどが分かりやすく表示されています。現場ではベテランからまだ洗剤を熟知していない新人まで作業しているなかで、パッケージに使用方法と注意点が分かりやすく書かれているのが良いと思います。

日本は欧米と違って業務用洗剤と家庭用洗剤が混同しているので、商品によっては業務用でも消費者でも扱えるものがあります。そのような洗剤は基本的に家庭用としてのパッケージ表示になっており、さらに業務用表記も一部加えるなど、業務用と家庭用のミックス表示になっているものが多いです。しかし一部の業務用洗剤もいまやネットで簡単に誰でも買えるようになっていますし、何が有効成分なのか分からず使用している消費者は多いと思います。結果、素材を痛めてしまったり、皮膚炎を起こす人が続出していることが口コミからも垣間見れます。自己判断でというところで一切の責任は持ちませんというスタイルでの販売方法のようですが危険事項を見ずに素手などで使ってしまうことも考えられます。

化粧品と洗剤の表記基準の違い

化粧品は全成分を表記することが義務づけられています。重量順に記載し1%以下の成分は順不同で表示できます。洗剤は直接肌に塗るものではないので化粧品よりも緩い感じです。
基本的に洗剤を扱うときはゴム手袋の着用が必要ですが、毎回ゴム手袋をするのも面倒になりがちで、手から皮膚吸収する可能性があります。洗剤は1%以下の成分は何か分からない部分があるし、タンパク質の分解力や毒性も化粧品に比べ高いので素手は注意が必要ですし、スプレーを噴霧するとミストが空中に舞って体に付着したり、吸ったりしてしまいます。

まとめ

  • 洗剤成分や量によって表示を省かれるものがあるが、その成分は洗剤の中に入っており何か分からない。
  • 業務用洗剤はSDS(安全データシート)で確認。使用方法はパッケージに明記されており扱いやすいようになっている。
  • 業務用洗剤と家庭用洗剤が混同しており、消費者も業務用洗剤がネットで買えるようになっている。SDSがないと、成分が分からないため、使用注意事項を表示していても素手で使用したり、物にダメージを与えてしまったりするケースがある。
  • ゴム手袋を着用することが基本であるが、毎回着用する面倒さがある。結果素手で洗剤を触るケースがあり手から皮膚吸収する可能性がある。
  • 手だけでなく、スプレー噴霧した際のミストが肺に入ったり、顔や腕などに付着することで成分を吸収し、皮膚炎や肺炎を起こす危険性がある。

1%入れるだけでも効果があるのです。その成分が身体、あるいは環境に悪影響を及ぼすものであれば、できるだけ避けたいところですね。