今回はフローリングの剥離について解説していきます。
目次
フローリング剥離の矛盾
フローリングの種類
フローリングは単層フローリングと複合フローリングがあります。
無垢板は剥離できない
無垢板の表面加工としてはウレタンコーティングやガラスコーティングなどになってきます。コーティング処理をすることで水分の吸収を抑えることができ、メンテナンスしやすいのが特徴です。ただ、本来の無垢の質感とは変わってしまうので好みによってはデメリットに感じるかもしれません。無垢の質感を保つのであれば、オイル処理が一般的です。オリーブオイルでも保護剤としては十分です。無垢板に水性WAXは中に吸収されて乗りません。WAX処理されていないので剥離をする必要はありません。無垢板と分からずに剥離剤を撒いてしまうと変色したり、板が反ったりと大変なことになってしまいます。無垢と合板の違いをまず確認する必要があります。
ウレタンコーティングの上に水性WAXを塗っている
ウレタン処理された上に水性処理されている床もたまに見かけますが、このような場合でも剥離はかなり難易度の高いものになってしまいます。従来の強アルカリ剥離剤で剥離するとコーティングにダメージがありムラになってしまいます。無垢板にウレタン処理されていて、その上にWAX管理されている床に関しては除去が難しく、研磨で取り除くことがありますが、しっかり予算を取って対応する必要があります。
複合フローリングの剥離
複合フローリングは簡単に言うと、ウッドチップを接着剤で固めてプレスしたような板剤に単板を貼ったものになります。木は水を嫌うので、剥離作業は矛盾した作業になってしまうのですが、これを上手くやっていくのが掃除屋さんですね。剥離剤が実に入ると、接着剤が溶解し、プレスしたウッドチップが膨張し単板と共に膨れあがります。

その為にフローリング用の剥離剤の多くは中性、弱アルカリ性で、増粘タイプのものです。
https://www.kankanhouse.jp/shopbrand/ct17/

メリットポイントは
- 中性・弱アルカリ性でダメージが少ない。膨れるリスクがかなり抑えられる。
- 増粘タイプで実に剥離剤は入らない。
デメリットは
- 効きが弱いので上手く剥離できない。
- 剥離するのに時間がかかる。
- 回収しにくい。
などです。デメリットを解消するためにこの増粘に少し強アルカリの剥離剤を混ぜることでパワーを少しアップさせることをやっています。
空室の剥離方法
費用対効果や時間を考えると、中性でゆっくり剥離している暇はないので、従来の剥離剤を使い効率よく剥離していくことを皆さん選択しています。マジオキでは剥離スターpro10を上手く使っています。
ハクリスターpro10
https://www.kankanhouse.jp/shopdetail/000000000075/ct16/page1/recommend/

剥離スターの使用は10倍希釈ですので、その通りに希釈します。これ以上濃くするとフローリングのダメージが大きくなるので危険です。逆に薄めるのは問題ありません。例えばWAXが1~2枚くらいの薄いものでしたら、リスク回避として希釈倍率を低く設定すると良いでしょう。
手順について
①一枚試しに剥離してみる
どの洗剤もそうなのですが、試すのが大切になってきます。希釈倍率や洗剤の種類、対象物の素材や劣化状態、アジテーションなどを考えて隅でそれが適しているのか判断します。これをやらないと、上記の写真の様に失敗し取り返しのつかないことになってしまいます。
剥離の場合ですと、板1枚をまず試しに剥離してみましょう。それで問題なければ、次は3畳くらいを塗って剥離していくと良いと思います。一気に全体をやろうとせず、6畳洋間であれば、半分くらいを剥離するといいでしょう。
②確実に剥離しないと
剥離が甘いとWAXを塗っても一向にネバネバして乾かなかったり、取れていないとこだけムラになったりします。確実にWAXを取り除く必要があります。
③アジテーションは念入りに
確実にWAXを浮かせるため、アジテーションは念入りにしましょう。ポリッシャーを使うと効果的ですね。ハンドパットで擦る場合は、力を入れて最低3往復くらい擦りましょう。
擦り忘れが無い様に範囲を決めて規則正しく1枚1枚擦ることを心がけましょう。
④汚水回収はマメに
剥離剤はできるだけキレイに回収しましょう。最終的に水拭きをするのですが、キレイに回収できていないと、水拭きで引っ張てしまいます。
⑤リンスは少し酸で中和
剥離剤でアルカリに偏っているので、ダメージを軽減するため、またはWAXの乗りを良くするため、剥離剤をキレイに回収するために、リンスをした方が良いです。リンスは普通の水に少し酸を入れましょう。塩酸でも、リン酸でもクエン酸でもOKです。それでリンスすることでアルカリに偏った床が中性に戻り、ダメージが軽減されます。
⑥水拭きは最低3回する
最初は少し水分を含んだモップで水拭きしましょう。そうすることで、ほんのわずかに残っている剥離剤を回収できます。後の2回は固く絞ってモップ掛けしましょう。
⑦乾燥させる
モップ掛けをおこないましたら、扇風機なので乾燥させましょう。入室は完全に乾いてからにしましょう。新築の床もそうなのですが、乾いていないときに入ると足跡が付きます。
まとめ
今回はフローリングの剥離方法について解説しました。
まとめます。
- フローリングはそもそも水を嫌うので剥離作業は矛盾している。それを上手くダメージ無く剥離していく必要がある。
- フローリングは無垢と合板フローリングがあり、無垢は剥離できない。合板はできる。
- フローリングにウレタンコートされた上に水性WAXが乗っている場合は注意する。強い剥離剤はウレタンコートにダメージを与えてしまう。
- 在宅は慎重に1㎡ずつしっかり剥離していくことでリスクを軽減させること。空室は単価の面から在宅向けの剥離方法ができない(合わない)ため少し広い範囲で剥離していく必要がある。在宅では中性リムーバー、増粘などを用いてダメージを軽減しながら作業する必要があるが、空室は従来の剥離剤を使いスピーディーに取っていく必要がある。
- 試しに1枚だけ剥離して様子を見る
- アジテーションは最低3往復する
- 汚水はキレイに回収する
- リンスをする(酸を少し混ぜて中和させる)
- 水拭きは最低3回する
- よく乾燥させるまで入室しない。
床の剥離動画も合わせてご視聴ください!
以降はマジオキ加盟者のみのコンテンツになります。加盟者は新規登録をお願いします。